食品安全情報blog過去記事

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塩素処理した水と先天性欠損

Behind the headlines
Chlorinated water and birth defects
Tuesday June 3 2008
http://www.nhs.uk/news/2008/06June/Pages/Chlorinatedwaterandbirthdefects.aspx
2008年6月1日にMail On Sundayは「水道水の塩素が先天性欠損のリスクを約2倍にする」という見出しを掲げた。「塩素をたくさん使って消毒している水」を飲んでいる女性は「心臓や口蓋裂や脳欠損をもつ赤ちゃんが生まれるリスクが約2倍だと報道している。さらに報道ではこの知見は2007年にImperial Collegeの行った英国における先天性欠損と塩素消毒副生成物であるTHM濃度の間にはほとんど関係がないとする研究と矛盾する、と付け加えている。
この研究は台湾のもので、実際にTMHの濃度を測定しているわけではなく居住地から推定しているだけなどの多数の問題点を含む。さらに喫煙や飲酒など先天異常に関連することが知られているいくつかの要因について考慮していない。
この研究はTHMが何らかの先天性欠損リスクに関係があると結論するには十分ではない。
この研究は台湾の水質と先天性欠損を調べた横断研究で、その他の研究データと合わせたメタ解析を行っている。著者自身も一般的に塩素処理した水と先天性欠損には一貫した関係は見られなかったと述べている。飲料水について心配する必要はない。