食品安全情報blog過去記事

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容器に含まれる化学物質と心臓病リスク

Behind the headlines
Packaging chemical and heart risk
September 17 2008
http://www.nhs.uk/news/2008/09September/Pages/Packagingchemical.aspx
「ランチボックスや食品用缶に含まれる化学物質が心疾患と糖尿病に関連する」とThe Sunが報告した。食品や飲料容器に広く使われている化学物質であるビスフェノールAと成人の疾患の関連を調べた研究についてメディアが広く報道している。新聞は最も高いレベルだと心疾患のリスクが2倍になる、そしてたとえ微量でも健康に影響する可能性があると報道している。一部の新聞はこの物質は「性差をあいまいにする」性質があって哺乳瓶にも含まれると記述している。
この研究は尿中BPA濃度の高さと心血管系疾患及び糖尿病に有意の関連があることを発見したものである。しかしながらこれは横断研究であり、関連を見つけることはできても因果関係を見つけることはできず、従ってこの物質が疾患の原因であるとは言えない。この知見の確認とその周辺を調査するためのさらなる研究が必要である。
食品に移行することが認められているBPAの量には既に規制があり、それらの値は0.05 mg/kg体重で設定されている。EFSAは「人体はBPAに暴露されると急速に代謝して排泄する」と2008年7月に述べている。BPA暴露量は規制値を十分下回り、胎児や新生児を含めた消費者に十分な安全性マージンを提供している。
以下研究の説明。
例えば慢性疾患の評価には参加者に「これまで(リスト)の病気であると言われたことはありますか」という質問をしてその答えから判断している。このような方法はエラーが入りやすいため確認が必要である。一回だけの尿の測定は個人の摂取量を反映しているかどうかわからない、など。