食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールA、電子レンジで加熱する影響

13 November 2008
http://www.afssa.fr/PM9100C3I0.htm
ビスフェノールAの毒性については各種国際機関による評価が行われ、多数の報告書が発表されている。2006年にはEFSAがTDIを0.05 mg/kg体重に設定した。乳児を含む消費者の暴露評価も行った。
この評価においてEFSAは哺乳瓶からは1Lあたり最大50microgのビスフェノールAが溶出すると考えた。この評価の結果、暴露量はTDIの30%未満であるというものであった。しかしながらこの値は電子レンジで加熱したときの溶出については考慮していなかった。カナダ政府がポリカーボネート哺乳瓶を禁止する意向を発表した後、AFSSAは使用条件を変える必要があるかどうか検討するために電子レンジで加熱したときのビスフェノールAの溶出量について調べるよう依頼された。
AFSSAの調査の結果、現実的な使用条件で(加熱は10分以内)電子レンジで加熱した場合のビスフェノールAの溶出は極めて微量で、EFSAの推定暴露量以内であることがわかった。文献調査の結果でも水の高度や液体の量がビスフェノールAの溶出量に影響するものの、EFSAの推定の最大値をはるかに下回る。従って2006年のEFSAの結論はポリカーボネート哺乳瓶を電子レンジで加熱した場合でもあてはまるため、使用条件を制限する必要はない。
以下Q & Aと参考リンク
電子レンジで加熱した場合のポリカーボネート哺乳瓶のビスフェノールAに関する意見
http://www.afssa.fr/Documents/MCDA2008sa0141.pdf