食品安全情報blog過去記事

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牛肉についての警報

Beef Alert
http://www.fsai.ie/industry/hottopics/industry_topics_beef_withdrawal.asp
牛肉にも汚染が見つかったのか?
その通り。予備的検査の結果、検査した牛肉の多くからマーカーPCBが検出された。
牛肉もリコールされているのか?
いいえ、牛肉はリコールされていない。
どうしたのか?
規制値を超える牛群の全ての動物はフードチェーンから排除される。これらの動物に由来する製品は市販されない。欧州委員会に結果を伝えた。
なぜ豚肉の場合のようにリコールを行わないのか?
公衆衛生上の懸念がないと考えられるのでリコールされていない。理由は以下のようなものである:
アイルランド共和国にある約11万の農場のうち汚染の可能性がある飼料を受け取った農場はわずか45である。これらの農場由来で9月1日以降に屠殺されたウシの総数は約3000頭で、年間の総数は150万頭である。これはアイルランド共和国で生産される牛肉の0.2%に相当する。
・ 45の農場のうち11の農場の結果がわかった。そのうち8つは問題がなかったが、3つはわずかに牛肉のマーカーPCBの提案されている規制値より高かった。残りの農場についても検査中であり、結果がでるまで制限中である。
・ 検体のマーカーPCBは提案されているEC規制値より高いものの、その濃度は公衆衛生上の懸念とはならない。これは規制値の80-200倍が検出された豚肉の場合とは違う。
・ ウシの飼料のほうが多様で、飼料の代謝も異なり、豚より汚染リスクが小さい。
・ ウシに関しては極めて厳格なトレーサビリティシステムがある。
牛肉や牛肉製品についてはどうか?
消費者に牛肉や牛肉製品の破棄や回収は助言していない。それらが汚染されている可能性は低く、もし汚染があったとしても心配する必要はない。
乳製品についてはどうか?
乳牛汚染を示唆する情報はない。従って乳や乳製品は影響されていない。
PCB類とは何か?
PCB類はダイオキシン類のような一連の化学物質のグループである。ダイオキシン類のように、その毒性は個々の化学構造による。一部のPCB類はダイオキシン類に似た毒性をもち、ダイオキシン様PCBと呼ばれる。他のPCB類はマーカーPCB又は非ダイオキシン様PCBと呼ばれ、ダイオキシンダイオキシン様PCBより毒性は低い。
食品にマーカーPCBが含まれていたら必ずダイオキシンダイオキシン様PCBが含まれるのか?
マーカーPCBの存在はダイオキシンダイオキシン様PCBの存在する可能性があることを示す。通常ダイオキシンダイオキシン様PCBの濃度は、存在したとしてもマーカーPCBより低い。食品にマーカーPCBがあればダイオキシンダイオキシン様PCBがあると決めつけるのは困難で、測定を行うのが賢明である。時にはマーカーPCBがあってもダイオキシンダイオキシン様PCBが規制値以下ということもある。マーカーPCBがあること自体は、高濃度でなければ直ちに健康上の懸念となることはない。