Science NOW
The Dirt on Sewage Sludge
By Erik Stokstad
22 January 2009
http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2009/122/3?etoc
下水処理施設の全国調査により、下水汚泥には多数の重金属や医薬品や難燃剤等が含まれ、一部の抗生物質は驚くほど濃度が高い。毎年おおまかに700万トンがいわゆるバイオソリッドとして農地に肥料として加えられている。
これらの物質がこの濃度でヒト健康に影響があるかどうかは不明であるがこのデータからEPAはリスク評価を開始できるだろう。
下水処理施設は水系に悪影響のある過剰な栄養分や汚染物質を除去し、その汚泥は肥料としてリサイクルされる。しかしバイオソリッドには下水処理では分解されないダイオキシンのような物質も含まれる。2001年にEPAは下水処理施設の調査を行い、ダイオキシン濃度は極めて低くヒト健康に悪影響はないと結論した。5年後、環境中の薬物への懸念に推されてEPAは97の医薬品や関連化合物を含むより多くの物質の検査を開始した。
検査対象となった145の物質のうち多くが全国で検出された。74の大規模処理施設のバイオソリッド全てから27の金属が検出されたが、畑に施す基準値を超過していたのは亜鉛とモリブデンとニッケルのみであった。難燃剤11種のほとんどと12の医薬品も同様に普遍的に検出された。
最も良く検出された物質のうちの2つはトリクロサンとシプロフロキサシンであった。平均濃度はこれまでの小規模試験で報告されたものと同様であったが、一部のトリクロサン濃度は440 ppmにもなった。この値はこれまでの報告の10倍で驚くべき高濃度である。これが土壌の微生物や水棲生物に影響するかどうかは不明である。今後EPAが評価するであろう。
データ含むEPAのサイト
Biosolids
Targeted National Sewage Sludge Survey Report
January 23rd, 2009
http://www.epa.gov/waterscience/biosolids/tnsss-overview.html