食品安全情報blog過去記事

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飲酒のがんリスク

Behind the headlines
Cancer risk of drinking
Wednesday February 25 2009
http://www.nhs.uk/news/2009/02February/Pages/Alcoholcancerrisk.aspx
「1日1杯の飲酒でがんリスクが増加する」とBBCニュースが伝えた。他にいくつか1日たった1杯の飲酒で、ワインだろうとスピリッツだろうとビールだろうと−がんリスクが高くなることを示唆する大規模研究の知見について報道されている。
この研究は130万人の英国人女性の平均飲酒量と各種がんを追跡したもので、1 日1杯の飲酒でがん全体のリスクと乳がんを含む特定のがんのリスクが高くなることが示された。
これらの知見の解釈にはいくつかの限界がある。現在の英国ガイドラインは、女性に対しては1日に2-3ユニット以上の飲酒は避けるようにと薦めている。
この研究は人数が多くがんの症例に関しては信頼できる情報源に依っており完全なデータが得られた女性についてのみ解析しており強力なものである。ただしいくつか注意すべき重要なポイントはある。
・ 3年間隔で2回、平均飲酒量を尋ねているため長期の飲酒パターンなのか生涯にわたる変動があるかはわからない。
・ 女性の不正確な報告によるエラーが含まれる
・ 53%の女性はほとんど飲まないあるいは全く飲まず、大量飲酒の女性が少ないため正確ながんリスク推定は困難である。
・ 喫煙や運動などの交絡因子については補正を行っているが全ての要因を補正するのは不可能である。
これはJNCIの論文の話。


これとは別に
Daily mailより
1日グラス一杯のワインを飲むだけでがんのリスクが168%に増加する、とフランスが言っている!
Drinking just one glass of wine a day can INCREASE risk of cancer by 168%, say the French!
23rd February 2009
http://www.dailymail.co.uk/news/worldnews/article-1148611/Drinking-just-glass-wine-day-INCREASE-risk-cancer-168--say-French.html
フランス国立がん研究所(INCA)の報告
アルコールはどんなに少量でも健康に宜しくない、とINCAの所長Dominique
Maraninchiが言う。
(アルコールが煙草に次ぐ予防できるがんの主要原因であるという事実は特に新しいわけではないが、フランス政府がこれをきっかけにワインを飲まないように国民に助言する方針であると報道され話題になっている。あのフランスがワインを!)