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Nature 14 May 2009 (Vol. 459 pp139-290)より

  • 自由意思は幻想か?

OPINION
Martin Heisenberg
Is free will an illusion? pp164 - 165
科学者や哲学者が神経科学の新しい知見を使って自由意思という考えに疑問を投げかけている。それは見当違いである。動物の行動を調べることで我々の行動がどう自由であり得るかがわかる。
神経科学のデータの哲学的解釈を巡って。)

  • 書評:HIV否定論の危険性

The dangers of denying HIV p168
Seth Kalichmanの本「Denying AIDS: Conspiracy Theories, Pseudoscience, and Human Tragedy」のJohn P. Mooreによる書評
南アフリカによる不適切な健康政策が33万人の不必要なAIDSによる死亡と乳児死亡率の急上昇を招いた。犠牲者はダルフールの虐殺より多いが注目度は低い。この書物でSeth Kalichmanは如何に言葉が人を殺す道具となるかを示している。
南アフリカの悲劇はHIVウイルスの害は少ないとか抗レトロウイルス薬は有害だとか主張するAIDS否定論者たちによって悪化した。
AIDS否定論のような反科学・反医学の動きはインテリジェントデザインを支持する人たち、地球温暖化はおこっていないとする人たち、ワクチンが自閉症の原因だとかタバコは安全だとか2001年9月11日のテロは自演だとかホロコーストはなかったとかと主張する人たちに広がっている。
AIDS否定論を支持したのは研究者やインチキ治療法を行っている人たちやジャーナリストにもいた。特に大学で不満を持っている教授たちが注目を集めるために疑似科学に傾倒したことを記述している。
(この本のアマゾンの書評に、HIV陽性だけど治療なんかしてないし薬を飲んでいたときより元気だと主張している人が星一つの評価をしているのだけれど、こういう人が感染拡大源になるのでとても怖い
http://www.amazon.com/Denying-AIDS-Conspiracy-Theories-Pseudoscience/product-reviews/0387794751/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1