食品安全情報blog過去記事

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食品輸送に使う船の前の積荷についてEFSAが評価した

Previous cargoes of food transport ships evaluated by EFSA
1 December 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903079028.htm
食用油脂の船による輸送は必ずしも専用コンテナでのみ行われるわけではない。しかしながらコンテナの先の積荷については安全性の懸念がないか評価する必要がある。欧州委員会からの要請によりEFSAが食用油脂の輸送に使われるコンテナで運ばれる可能性のある14の物質や化合物の安全性について評価した。
9物質と5つの混合物は工業用・農業用に様々な目的で使用されている。CONTAMパネルはこれらの物質の先の積荷としての安全性を今年初めに採択した基準に従って評価した。
硝酸カルシウム、硝酸アンモニウム過酸化水素、イソブタノール、カオリンスラリー、果糖の6物質については食用油脂の輸送用コンテナの先の積荷としては安全上の懸念hない。
しかしシクロヘキサノール、シクロヘキサノン、2,3-ブタンジオールは、毒性学的に懸念がある/安全性を確認するためのデータがないなどの理由で許容できる基準には合致しない。
脂肪酸の混合物や脂肪アルコールの混合物についてはそれらが食用油脂由来であれば健康上の懸念とはならない。脂肪酸や脂肪アルコール、あるいは脂肪酸メタノールエタノールから作られた脂肪エステル混合物についてもそれらが汚染のないもの(例えば廃油などは含まない)であれば同じ結論になる。
最後にエポキシ化植物油については、既に許容できることが確認されているエポキシ化大豆油以外は、評価に十分な情報がなかった。

  • 食用油脂の許容できる先の積荷としての化合物の評価

Scientific Opinion on the evaluation of substances as acceptable
previous cargoes for edible fats and oils
1 December 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903078992.htm
シクロヘキサノールとシクロヘキサノンについては発がん性と生殖毒性について不確実性がある。さらにシクロヘキサノンの反応生成物(ジオキソラン誘導体)についても考慮する必要がある。2,3-ブタンジオールについては慢性毒性及び発がん性試験のデータが無く、遺伝毒性や不純物の情報が不十分である。
エポキシ化植物油についてはどのようなものが「エポキシ化植物油」に含まれるのかについての情報が無く、エポキシ化大豆油の次に多く使われているエポキシ化亜麻仁油についても毒性学的情報がないため評価できない。