食品安全情報blog過去記事

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マルチビタミンと乳がんについての新しい研究に関する専門家の意見

Science Media Center
Experts on new study on multi-vitamins and breast cancer
April 20th, 2010.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2010/04/20/experts-on-new-study-on-multi-vitamins-and-breast-cancer/
今月American Journal of Clinical Nutritionに発表された新しい研究でマルチビタミンサプリメント乳がんリスクを上げるのではないかという懸念が示された。
ニュージーランドヘラルドやSciblogsなどがこの問題を取り上げている。我々はニュージーランドの健康と栄養の専門家にこの研究についての見解を尋ねた。
Auckland大学疫学教授Rod Jackson
この研究は無作為化されておらずあまり重要視していない。ビタミンサプリメントは健康な人には害も益もほんの僅かしかないので効果があるかどうかを調べるにはRCTが必須である。
一般向けの助言としては、欠乏症と診断された場合以外はビタミンサプリメントを摂るべきではない。
がん学会宣伝部長Jan Pearson博士
この研究で示されたリスクの増加は小さい。マルチビタミンサプリメントを使っている女性は心配しなくてもいいが、そもそもサプリメントが必要なのかどうかは再考すべき。サプリメントよりバランスのとれた多様な食品からなる食生活を。
ニュージーランド登録栄養士Angela Berrill
研究結果はおもしろく注目すべき部分もあるがマルチビタミン乳がんを誘発するかどうかについてはさらなる研究が必要である。よりしっかりした研究結果が出るまで、女性たちは必要なビタミンやミネラルは健康的でバランスのとれた食事から摂るべきである。食事から必要量が摂れない場合のみサプリメントを使用しても良い。