食品安全情報blog過去記事

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BPAプラスチックと生殖能力研究

Behind the Headlines
BPA plastic and fertility studied
Thursday August 5 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/08August/Pages/bisphenol-A-and-infertility.aspx
Daily Mailが「食品缶に含まれる性を曲げる化学物質が男性の生殖能を下げるかもしれない」と報道した。この記事は不妊クリニックに来た190人の男性の尿中ビスフェノールABPA)濃度を調べた研究に基づく。この調査では検体の89%からBPAが検出され、BPA濃度が高いと精子の質が低い傾向にあることを報告している。この小規模横断研究にはいくつかの限界がある。主なものはこの結果には統計学的有意差はなかったということ、研究デザインから因果関係は示せないこと、不妊クリニックに来ていない男性との比較がないこと、である。従って新聞記事はこの研究をおおげさに報道している。研究者が言っているように観察された関連はさらなる研究が必要である。
EFSAが2007年に発表したリスク評価では食品や飲料からのBPA摂取量はTDIを十分下回る。