食品安全情報blog過去記事

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お茶、コーヒー、脳腫瘍

Behind the headlines
Tea, coffee and brain cancer
Wednesday September 29 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/09September/Pages/tea-coffee-fight-brain-cancer.aspx
Daily Expressが「カフェインが脳腫瘍リスク削減に役立つ」と報道した。1日1杯のお茶かコーヒーが脳への血流を制限して腫瘍が増殖するのを止めるのだという。
この話のもとになったのはヨーロッパ10か国の41万人を8.5年間フォローした大規模研究で、二つのタイプの脳腫瘍について調べた。脳腫瘍は珍しいため、フォローアップ期間に新たに発症したのはわずか588例だった。研究者らは各国を別々に検討した場合には意味のある関連は見つけられなかったが、全ての国を合わせてみるとカフェイン摂取量が多いとがんリスクが低い傾向はあった。この結果はこれまでの研究と同様でカフェインと脳についてのさらなる研究につながるものであろう。しかしながら国によりカフェイン摂取量評価の方法が違うなど多数の重大な限界があり、科学的にはおもしろいが医学的には限られた意味しかない。
EPICコホートにおけるコーヒーやお茶の摂取と脳腫瘍リスク
Coffee and tea intake and risk of brain tumors in the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition cohort study
Am J Clin Nutr (September 15, 2010). doi:10.3945/ajcn.2010.29876
http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/ajcn.2010.29876v1
コーヒーや紅茶の摂取と脳腫瘍リスクには国ごとの4分割比較では関連がなかった。ただし1日あたり100mL以下とそれ以上を比較した場合の神経膠腫とは逆相関があった。