食品安全情報blog過去記事

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紫色の果物が健康に良いという主張は時期尚早

Behind the headlines
Purple fruit health claims are premature
Wednesday December 8 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/12December/Pages/news-claims-purple-fruit-alzheimers-parkinsons.aspx
ブルーベリーのような紫色の果物を食べると「アルツハイマー病、多発性硬化症パーキンソン病予防になる」とDaily Telegraphが報道した。新聞はこれらが有害な鉄化合物を吸い上げると言う。この理論は鉄と鉄に結合する化合物の化学・生物学的作用を調べた論文に基づく。著者はある形態の鉄が多くの病態に関与することを示唆する根拠があるとまとめて、作用メカニズムを予想している。重大なことはこの論文はひとつの理論を提示したもので我々はその理論が本当かどうかを知らない。鉄と反応する可能性のある食品についてはこの論文で軽く触れられているだけに過ぎない。病気に鉄が関与するかどうかにはよりしっかりした根拠が必要だし、その後に鉄の作用に食品が影響するかどうかを調べる研究が必要だろう。