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医薬品規制:補完医薬品

オーストラリア監査局の報告
Therapeutic Goods Regulation: Complementary Medicines
Tuesday 30th August 2011
http://www.anao.gov.au/Publications/Audit-Reports/2011-2012/Therapeutic-Goods-Regulation-Complementary-Medicines
TGAによる補完医薬品規制が有効かどうかを監査した。
オーストラリアでは約2/3がビタミンやミネラル、ハーブ、アロマセラピーホメオパシーなどの補完医薬品を使っている。オーストラリア市場には魚油やセントジョーンズワート、グルコサミンといった製品が約10000販売されている。販売額は2010年にオーストラリアで12億ドルと推定されていて、世界市場は年830億米ドルと推定されている。
補完医薬品にもリスクがあり、TGAが規制している。2003年にオーストラリア最大の補完医薬品企業であるPan Phermaceuticalsが1600以上の製品をリコールしたことでTGAの規制に注目が集まった。そこで2004年に規制のレビューが行われ、多くの助言がなされてほぼ全てが採用された。2006年半ばにニュージーランドと共同で規制機関を作るという計画が提案され2007年に中断している。2010年に、補完医薬品は自己申告による簡単な規制であるにもかかわらず90%もの製品が規制を守っていないというデータが提示されて補完医薬品の規制が再び注目を集めている。そこで今回の監査となった。
オーストラリアの補完医薬品規制は、それが比較的低リスクであることから軽いものとなっている。TGAの市販後調査では補完医薬品の規制を守らない率は一貫して高い。TGAはこの事態を公衆へのリスクとみなし懸念を表明している。この状況からはオーストラリアの補完医薬品規制システムはあまり有効でないといえる。改善が必要。