危害影響研究チーム 2012.08.02
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=2&seq=18354&cmd=v
食品医薬品安全庁食品医薬品安全評価院は韓国子供(満 3歳-18歳)のフタル酸類とビスフェノール Aの暴露量を評価した結果国際人体安全基準値に比べて相当低い水準だったと発表した。
※ 人体安全基準値(TDI) : 特定物質を一生の間毎日摂っても健康上有害な影響が現われないと判断される量
フタル酸類及びビスフェノール Aはプラスチック可塑剤として工業用や生活用品などに広く使われて日常生活で暴露されている内分泌かく乱作用があるかもしれないとされる物質で、脆弱階層である子供の実際の暴露量評価は非常に重要である。
調査方法は ‘10年から ’11年まで全国満 3-18歳子供 1,030人の尿を収集してフタル酸類(DEHP, DBP, BBP) 及びビスフェノール Aの濃度を測定してこれをもとに一日平均暴露量を算出した。その結果は以下のようである。
フタル酸類暴露量評価
韓国の満 3歳~18歳子供の尿中でフタル酸類分析結果をもとに算出された平均一日暴露量はDEHP 2.75ug/?/day, DBP 1.22ug/?/day BBP 0.61ug/?/dayだった。
これは欧州食品安全機関(EFSA)が提示した人体安全基準値(TDI)に比べて DEHP, DBP 及び BBPはそれぞれ 5.5%, 12.2% 及び 0.1%で韓国の子供の暴露水準は安全であると評価された。
※ フタル酸類人体安全基準値(TDI) : DEHP(50ug/kg/day), DBP(10ug/kg/day), BBP(500ug/kg/day) (EFSA)
年齢帯別では満 3歳~6歳乳児のフタル酸類暴露量が小□中□高校生など他の年齢に比べてやや高い傾向だったが, これはおもちゃなどフタル酸類含有製品との接触が相対的に多いからと考えられる。
また食品医薬品安全庁が ‘10年評価した韓国成人(満 19歳~69歳)のフタル酸類平均一日暴露量に比べて子供暴露量は低い。
大人に比べて子供の平均一日暴露量は DEHPの場合 45%, DBPは 61%, BBPは 51%だった.
※ 我が国の大人(満 19歳〜69歳) フタル酸類平均一日暴露量 : DEHP 6.1ug/?/day, DBP 2.0ug/?/day, BBP 1.2ug/?/day
ビスフェノール A 暴露量評価
我が国子供(満 3歳-18歳)の尿中ビスフェノール A 分析結果をもとにした平均一日暴露量は 0.022ug/?/dayと推定され、これは人体安全基準値(TDI) の0.04%で非常に安全な水準である。
※ ビスフェノール Aの人体安全基準値(TDI) : 50ug/kg/day (EFSA)
ビスフェノール Aの子供年齢層別暴露水準を比べた結果, フタル酸類と同じく他の年齢に比べて 3-6歳でやや高い傾向だった。
また韓国の子供のビスフェノールA 暴露量は同年齢帯のアメリカ(0.058ug/?/day)とカナダ子供(0.038ug/?/day)より低かった。
食品医薬品安全庁が ‘10年評価した韓国成人(満 19歳~69歳)のビスフェノール A 平均一日暴露量に比べて子供暴露量は 61%だった。
食品医薬品安全庁はこの調査結果から我が国の子供たちのフタル酸類及びビスフェノール A 暴露水準は安全なので漠然たる不安を持つ必要はないが、暴露量をさらに減らしたい場合には良く手洗いし、内部にきずがあるプラスチックコップ(ポリカーボネート材質)や PVC 材質のおもちゃなどは使わないことが勧奨されるとした。