食品安全情報blog過去記事

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Biteマガジン:ヨーロッパ問題

Bite magazine: the European issue
6 February 2013
http://www.food.gov.uk/news-updates/news/2013/feb/bite10
ヨーロッパにおけるFSAの役割
科学と政策:正しいバランスをとる
FSAは政策を決める際には常に最新の科学的根拠を用いる
EFSAの10周年記念会議で、欧州委員会の主任科学アドバイザーであるAnne Glover教授は、科学的根拠を無視して政策を決める政策決定者には、その動機を明確にするよう要求すべきたと述べた。例えばGM作物は安全性評価にはパスしているのに一部の加盟国が使用に反対の投票をしている。意志決定プロセスで科学的根拠が部分的に意図的に選択的に使われることが無いようにしなければならない
科学とリスク管理についてのケーススタディ1:ビスフェノールA
ヒト健康への影響が結論できない研究に基づいて使用制限をしている国がある。消費者への安全上のメリットがないのに一部の企業に影響を与えるような禁止はバランスが悪い
ケーススタディ2:放射性物質
チェルノブイリの事故後EUは食品中の放射性物質についての最大許容量(MPL)を設定した。これはどのような事故の後でも安全性基準として適用できる。事故の影響やリスクが明確に去れば改訂することもできる。2011年の福島事故後、日本の食品安全部門はEUで合意されたものより低い緊急規制値を採用した。影響のある県では全ての食品が汚染されている可能性があるため厳しい基準値を設定するのは理解できる。日本の世論の圧力で日本のMPLはさらに引き下げられた。EUでは日本から輸入される食品は0.1%以下で、日本の輸出規制と組み合わせるとEUの消費者の日本産製品によるリスクは極めて低いと考えられる。EUは独自のMPLを設定していたが、日本がそれとは別の低いMPLを設けているため、EUの消費者は自分たちの安全が守られていないとみなす可能性がある。そのためEUは単に一貫性を保つため、日本の規制にあわせて2回MPLを引き下げた。これは実際の、あるいは想定されるリスクとは関係ない。そうすることで人々が相対リスクを判断することができない可能性が作られた。