食品安全情報blog過去記事

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農業、食料、海洋についての共同Oireachtas(アイルランド共和国の議会)委員会でのCEO声明

CEO Statement to the Joint Oireachtas Committee on Agriculture, Food and the Marine
Tuesday, 5 February 2013
http://www.fsai.ie/news_centre/oireachtas_05.02.2013.html
FSAI長官がアイルランド市場の肉製品の真正性についての調査状況を議会に報告した
FSAIは、これが不注意によるものか意図的詐欺なのかについてはまだわからないものの、一部のバーガー製造業者の許容できない粗末な状況を見いだした。
調査の時系列
最初の検体は2012年11月7日から9日に購入し、ダブリンの検査室で数日以内に検査をした。サラミ19、ビーフミール31、ビーフバーガー27を主要小売店から購入し、DNAプロファイリングを行った。最初の検査は全て定性検査(DNAがあるかないかだけを調べる)で、結果は2012年11月30日にFSAIに伝えられた。19のサラミのうち10がウシDNA陽性、全てがブタDNA陽性だったがウマDNAは検出されていない。サラミについてはそれ以上の調査が必要な問題はなかった。31のビーフミール製品については全てがウシDNA陽性で、21はブタDNA陽性、ウマDNAは検出されなかった。これらのうちブタを含むことが表示されていたのは2検体のみで、その検出量は極微量だったので、同じ工場で別の動物を取り扱っているための非意図的交差汚染によるものと考えた。
27のバーガー製品については、全てはウシDNA陽性で、23はブタDNA陽性、10検体がウマDNA陽性であった。ブタDNAが検出されたバーガーのほとんどが微量でブタを含むとは表示されていなかったのでこれも非意図的交差汚染によるものと考えた。この調査で調べた27のバーガーはアイルランドの6、英国の3の9つの異なる製造業者のものだった。ウマDNAが検出されたのはアイルランドの2つと英国の1つの3つの工場に由来する。
驚くべき結果はウマ肉を含むとは表示されていない10のビーフバーガーからウマDNAを検出したことである。この予期せぬ結果を受けて、我々は確認が必要だと決め、検出されたDNAの配列決定を依頼した。12月10日に結果が確認された。
さらに確認のためにFSAIは最初に陽性だった検体と同じまたは同様のバッチの製品を12月10日に購入し、これらの結果は12月18日に出たが、再度ウマDNA陽性だった。
確認のために12月21日に最初の27検体の20サンプル(陽性10と陰性10)をIdentigenラボからブラインドでドイツのEurofinsラボに送り、追加検査をした。ここまでの全ての検査は定性的なもので量は調べていない。そのため今度はウマDNAの定量を依頼した。どちらの検査室もEuropean Standard EN ISO/IEC 17025:2005認証を受けている信頼できるところである。
12月21日にFSAIは問題の2つの肉加工場の原料検体を農業食糧海洋省に依頼した。それは2013年1月4日にIdentigenラボに送られ1月11日に結果が出た。オランダ、スペイン、アイルランドビーフ製品から極めて微量または痕跡程度のウマDNAが検出された。しかしながらこれらの製品は陽性のビーフバーガーの成分とは関係がなかった。この知見はスペインとオランダの当局に通知した。
ドイツEurofinsラボによる半定量結果は2013年1月11日にFSAIに伝えられた。最初のIdentigenラボの結果と一致するものであった。さらに2013年1月11日夜にはIdentigenラボによる定量結果も伝えられた。10検体の陽性バーガーのうち1つ以外は極めて微量だった。一つはウシDNA含量に比較して推定29%のウマDNAだった。この製品はTescoの委託でSilvercrestが製造したものである。この時点では29%のウマDNAの説明はできなかった。
FSAIはこの知見による消費者の健康リスクはないと考えた。この時点でリスクとなるのは微生物や動物用医薬品である。バーガーは加熱するので微生物が存在したとしても殺されるだろう。また12月10日にフェニルブタゾンを含む動物用医薬品の検査をしていた。12月19日に受け取った結果は全て陰性であった。
公衆衛生上の懸念はないとしても、さらなる検討が必要である。ウマ肉を扱っていない工場で交差汚染がおこることの説明はできない。1月14日に農業食糧海洋省や英国FSAに情報を提供した。同じ14日にHSEにバーガーの正式サンプリングを求め、これらはEurofinsラボで検査した。Tescoの1検体以外は陰性という先の知見を確認するものだった。1月15日に関連小売業者に知見を伝え、それぞれ迅速な対応をした。FSAIは1月15日にプレスリリースを行った。大臣には調査の詳細とポーランド産と表示された原料がウマDNAの原因と同定されたことを説明した。