食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 高齢者の食事の総抗酸化力と主要神経系アウトカム

Total antioxidant capacity of the diet and major neurologic outcomes in older adults
Elizabeth Devore et al.,
Neurology 10.1212/WNL.0b013e3182840c84
http://www.neurology.org/content/early/2013/02/20/WNL.0b013e3182840c84.abstract?sid=2ee30429-87db-41be-a046-a2b0d79d02b5
高齢者の、第二鉄還元抗酸化力 (FRAP) アッセイで測定した食事の抗酸化力と認知症脳卒中リスクについて評価した。ロッテルダム研究の55才以上の5395人の参加者の前向き研究。フォローアップの中央値は13.8年で、認知症脳卒中は約600例同定した。食事のFRAPスコアとは何の関連もなかった。

Over-the-Counter and Compounded Vitamin D: Is Potency What We Expect?
Erin S. LeBlanc, et al.,
JAMA Intern Med. 2013;():1-2. doi:10.1001/jamainternmed.2013.3812.
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1570096
薬局で販売されているビタミンD錠剤のわずか1/3しかUSPの基準を満たさないという報告

  • 高濃度塩はイヤな味の経路を動員する

High salt recruits aversive taste pathways
Yuki Oka, et al.,
Nature Year published:(2013) DOI:doi:10.1038/nature11905
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11905.html
舌の味覚受容体のうち、塩味については濃度を増やすと好ましい味からイヤな味に変化する特徴がある。NaClの食欲をそそる反応は上皮ナトリウムチャンネルENaCを発現している細胞によることを先に報告しているが、イヤな味については酸味と苦味感受性細胞の活性化を介することを示した。

  • セリアック病の増加は小麦の交配によるグルテン含量の増加のせいか?

Can an Increase in Celiac Disease Be Attributed to an Increase in the Gluten Content of Wheat as a Consequence of Wheat Breeding?
Donald D. Kasarda
J. Agric. Food Chem., 2013, 61 (6), pp 1155–1159
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jf305122s
セリアック病の増加が小麦の品種改良によるタンパク質含量の増加の性だという主張があるので、小麦の歴史から現状までを吟味し、ありそうにないと結論。
二倍体の小麦が栽培されるようになったのはおよそ1万年前、その後4倍体、6倍体が作られた。米国人の一人当たりの小麦粉の使用量は1900年以降減っているが、他のグルテンの摂取量については食生活などにより異なるだろう。

  • オーガニックトマトは慣行栽培よりビタミンCと糖を蓄積する

Organic tomatoes accumulate more vitamin C, sugars than conventionally grown fruit
20-Feb-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-02/plos-ota021513.php
ストレスの多い栽培条件で生化学的性質が異なる可能性
The Impact of Organic Farming on Quality of Tomatoes Is Associated to Increased Oxidative Stress during Fruit Development
Aurelice B. Oliveira,et al.,
PLoS ONE 8(2): e56354
http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0056354
ブラジル。オーガニックのトマトより慣行栽培トマトは40%大きい。単位質量当たりのフェノールやビタミンCはオーガニックのほうが多い。
(これでオーガニックの方が良いのだと思った人には計算問題。オーガニックトマトは重量当たりで29%酸を多く含むが重さは慣行栽培のほうが40%重い。トマト一個食べた場合はどうなるか?お値段とあわせてどこなら釣り合う?)