食品安全情報blog過去記事

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INSERM専門家集団評価報告書「農薬 健康影響」についてのANSESの意見

OPINION of the French Agency for Food, Environmental andOccupational Health & Safety on the INSERM collective expert appraisal report “Pesticides. Health effects”
https://www.anses.fr/sites/default/files/documents/PHYTO2013sa0116EN.pdf
2014年6月3日にフランス語で発表した意見の翻訳版
フランス国立保健医学研究機構French National Institute for Health and Medical Research (INSERM)が農薬暴露によるヒト健康影響についての文献レビューを行い、それをANSESが評価依頼された。
INSERMがヒト健康影響と中程度から強い関連があると報告した化合物の多くはDDTやトキサフェンなど既に禁止されているものだったので、この報告ではEUで認可されている化合物のみを対象にする。つまりクロルピリホス、マンコゼブとマネブ、2,4-DMCPDおよびメコプロップ、グリホサート。
INSERMの報告は疫学研究の系統的レビューである。この場合最も重要で複雑なのは暴露量についての推定である
同じ発表論文をもとにしたレビューでもEFSAとINSERMで若干の解釈の違いが生じている。文献の採用基準の違いがある
個別に提言有り
クロルピリホス
INSERMが遺伝毒性を指摘しているが欧州評価では変異原性や発がん性とはされていない。EFSAの文献レビューやEPAの再評価ではがんとの関連は明確な根拠はなくさらなる研究が必要としている。EFSAは新しいADIとARfDを設定しているので早い時期にクロルピリホスを含む農薬の再評価を行う
・マンコゼブ、マネブ、MCPD、メコプロップ
ANSESは2015年に申請更新を予定しているので問題点は全て考慮される
・グリホサート
製剤に一緒に使用されている物質に注意が払われるだろう