食品安全情報blog過去記事

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化粧品が子どもの喘息リスクを上げると非難される

Behind the headlines
Cosmetics blamed for raised child asthma risk
Wednesday September 17 2014
http://www.nhs.uk/news/2014/09September/Pages/Cosmetic-blamed-for-upped-child-asthma-risk.aspx
Mail Onlineが「メイクや香水に含まれる化学物質が子どもの喘息増加に拍車をかけている」と報道した。1人の科学者が女性は化粧品の成分をチェックして食品にはプラスチック容器は使わないなどの対策をとるべきだと示唆しているとウェブサイトが主張する。
この話は米国都市部の300人の子どもを母親が妊娠中から11才になるまで追跡した研究に基づく。妊娠第三期に女性の尿のフタル酸類を測定して胎児の暴露の指標とした。その結果フタル酸ブチルベンジル[BBzP]とフタル酸ジn-ブチル[DnBP]が最も多い母親の子どもは現在喘息あるいは5、11才で喘鳴などの喘息様症状を報告する可能性が高かった。
重要なことはBBzP とDnBPはEUでは子どものおもちゃや化粧品への使用が禁止されていることである。EU以外では規制が異なるので使われているかもしれない。
この研究は比較的小規模でリスクへの影響は不確実である。また対象者は都市部のアフリカ系アメリカ人とドミニカ人のみで他の女性にはあてはまらないかもしれない。またフタル酸が直接喘息増加に関与するかどうかは確実には言えない。著者自身が他の研究で確認されるまでこの知見の取り扱いには注意が必要と述べている。