食品安全情報blog過去記事

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トリクロサン石けんがマウスの肝がんと関連

Behind the headlines
Triclosan soap linked to mouse liver cancers
Tuesday November 18 2014
http://www.nhs.uk/news/2014/11November/Pages/triclosan-soap-link-with-mouse-liver-cancers.aspx
Independentが「化粧品や石けんやシャンプーや歯磨きの成分が肝臓がんの引き金を引くことがわかった」と報道した。問題の化合物はトリクロサンで多くの製品に抗菌剤として使用されている。手を洗ったところだったとしたら心配すべきだろうか?多分心配することはない。関連が見られたのはマウスであってヒトではなく、マウスに与えた量はヒトが暴露される量より遥かに多い。この研究は大量のトリクロサンを毎日6ヶ月食べさせたマウスが肝障害になって、別の発がん物質による影響を受けやすくなることを発見した。この知見からはヒトでの健康影響についてはほとんどわからない。但し無関心であるべきではない。ヒトでのより低濃度での局所使用の研究はすべきだろう。FDAは消費者製品へのトリクロサンの使用については変更を薦めないと言っている。これはバックグラウンド暴露でトリクロサンが有害影響があるのかないのかわからないということで、さらなる根拠が蓄積するまで、この問題についてはわからない、ということである。