食品安全情報blog過去記事

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シャンパンが認知症を予防できるというしっかりした根拠はない

Behind the headlines
No hard evidence champagne can prevent dementia
Monday November 9 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/11November/Pages/No-hard-evidence-champagne-can-prevent-dementia.aspx
Daily Mirrorが「1週間に3杯のシャンパンを飲むことが認知症アルツハイマー病を予防するのに役立つ」と報道した。しかしシャンパンを取り出す前にこの見出しのもとになった研究はラットについてのものであることを知るべきである。
この報道のもとになった研究は実際には2013年に発表されたものであるが最近ソーシャルメディアで出回っている。この研究はラットの記憶へのシャンパンに含まれるフェノール酸の影響を調べたものである。各群8匹のラットに毎日6週間、シャンパン、シャンパンでないアルコール飲料、アルコールの入っていない飲料を与え前後で迷路試験を行った。結果はシャンパン群が成績が良かったが、シャンパンの場合概ね8回中5回成功、他の飲料は8回中4回成功だった。この比較的少数の動物でのほんの少しの迷路の成績の差は必ずしもヒトの認知症リスクに反映されない。大量のアルコールを飲むことの健康リスクはよく知られている。もしあなたがフラボノイドを摂りたいなら、シャンパンより遥かに安くて健康的なものがある−パセリ、ピーナッツ、ブルーベリーー等。しかしこれらが実際に認知症を予防するかどうかは証明されていない。