食品安全情報blog過去記事

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食品添加物としての寒天(E 406)の再評価

Re-evaluation of agar (E 406) as a food additive
EFSA Journal 2016;14(12):4645 [51 pp.]. 21 December 2016
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4645
食品添加物及び食品に添加される栄養源に関するEFSAのパネル(ANS)は食品添加物として寒天(E 406)を再評価する科学的意見を出した。EUでは、1989年に食品科学委員会(SCF)は寒天(E 406)に許容一日摂取量(ADI)を特定しないとし、1974年に国連食糧農業機関世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)は極めて少ないデータでADIを制限しないと結論した。EU規則No 257/2010の下で再評価された特定の食品添加物のリスク評価の概念枠組みにより、安全性評価は、寒天(E 406)が認可された70食品カテゴリーのうちの7食品分野で企業から提出された使用方法と使用量に限定して考慮した;高摂取の詳細暴露評価指針値として幼児の95パーセンタイルでの(非ブランドロイヤルシナリオ)最大26 mg/kg体重(bw)/日が計算された;寒天はそのままでは吸収されず腸の微生物叢でわずかに発酵する;十分な毒性データが得られた;寒天の遺伝毒性に関する懸念はない;試験された最高量での、マウスとラットにそれぞれ4,500 mg/kg bw/日と2,500 mg/kg bw/日の発がん性試験で報告された発がん性はない;寒天の経口摂取(64 mg/kg bw/日に相当する4,500 mg/人)に目立つ副作用はなく12週間ヒトで耐性がある。そのためパネルは寒天のADI値は必要なく、食品添加物として使用される寒天の詳細暴露評価で一般人に安全上の懸念はないと結論した。