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新規食品としてのヒドロキシチロソールの安全性

Safety of hydroxytyrosol as a novel food pursuant to Regulation (EC) No 258/97
EFSA Journal 2017;15(3):4728 [23 pp.]. 10 March 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4728
欧州委員会の要請で、EFSAの食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)は新規食品(NF)として化学的に合成したヒドロキシチロソールについての意見を発表するよう求められた。組成、仕様、バッチ間変動、安定性、NFの製造工程についての情報が提供され、NFの安全性についての懸念は生じなかった。申請者は魚と植物油に最大215 mg/kg、マーガリンに最大175 mg/kgのヒドロキシチロソール添加を意図している。対象集団は36か月以下の子供と妊婦、授乳中の女性を除く一般人である。NFでの亜慢性経口毒性研究からの無毒性量(NOAEL) 50 mg/kg体重/日とNFの最大予想一日摂取量を考慮して、暴露マージン(MoE)は子供(3-9歳)に100、青年・成人(妊婦と授乳中の女性を除く)・高齢者には少なくとも200になった。NFの予想一日摂取量はオリーブオイルとオリーブの摂取からのヒドロキシチロソール暴露の範囲内あるいはそれより少なく、有害影響には結びつかない。またラットとヒトのヒドロキシチロソールの類似動力学を検討すると、意図した使用と使用量でNFのMoEは対象集団に十分である。新規食品ヒドロキシチロソールは提案された使用と使用量では安全である。
(スペインSeprox Biotechの申請。オリーブ油やオリーブの実に多く含まれるフェノール基をもつ化合物で抗酸化作用が高いと言われている(ORACで)。オリーブ油に関する各種健康上のメリットという情報をもとに美容や健康分野でサプリや添加剤として売りたいようだ。オリーブ油の研究はあくまでオリーブ油のものであって含まれる何かの効果を証明するものではないということを知っておくべき。)