食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食事摂取基準:EFSAはビタミンKに関する助言を発表する

Dietary reference values: EFSA publishes advice on vitamin K
22 May 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/170522-1
EFSAは栄養摂取に関する科学的助言のレビューの一環としてビタミンKの食事摂取基準を設定する。
食事、栄養、アレルギーに関するパネル(NDA)は1993年に食品科学委員会が設定した食事摂取基準を支持することを決めた。その結果、NDAパネルは次のようにビタミンKの一日目安量(AIs)を決めた:
7-11か月の乳児に10 µg
1-3 歳の子供に12 µg
4-6歳の子供に20 µg
7-10歳の子供に30 µg
11-14歳の子供に45 µg
15-17歳の青年に65 µg
妊婦と授乳中の女性を含む成人に70 µg
ビタミンKは血液凝固と骨石灰化で重要な役割を担う脂溶性のビタミンである。フィロキノン(ビタミンK1)とメナキノン(ビタミンK2)として食品にも天然に生じる。ビタミンKの摂取量が少ないと血液が凝固しにくくなるため出血する傾向がある。ビタミンKは食品ではホウレンソウ、レタス、ケール、芽キャベツなどの濃い緑の葉物野菜に含まれている。
EFSAは2017年初めに6週間パブリックコメントを募集し、受け取ったコメントを検討して科学的意見案を出した。

  • ビタミンKの食事摂取基準について食品・栄養・アレルギーに関するEFSAのパネル(NDA)の科学的意見案の意見募集結果

Outcome of a public consultation on the Draft Scientific Opinion of the EFSA Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies (NDA) on Dietary Reference Values for vitamin K
EFSA-Q-2015-00669
22 May 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1220e
2017年1月13日〜2月24日までパブリックコメントを募集した。NDAパネルは受け取った10団体からのコメントを検討し、ビタミンKの食事摂取基準の科学的意見の改訂を準備した。この科学的意見は2017年4月5日にNDA総会で議論、採択されてEFSA Journalに発表される。

  • ビタミンKの食事摂取基準

Dietary reference values for vitamin K
EFSA Journal 2017;15(5):4780 [78 pp.]. 22 May 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4780
欧州委員会からの要請を受けて、NDAこのパネルはビタミンKの食事摂取基準(DRVs)を導出した。この意見ではフィロキノンとメナキノンから成るビタミンKを検討した。ビタミンKの平均必要量と集団基準摂取量は成人、乳児、子供に導出できなかったので、目安量(AIs)を設定した。メナキノンでは入手可能な証拠が不十分だったので、フィロキノンのAIsだけを設定した。1993年以降入手可能な追加の証拠を評価したが、かなり不確実性があり、パネルは1993年の食品科学委員会が提案した参照値を支持した。AI 1 μg フィロキノン/kg 体重/ 日が全年齢および性別の集団グループに設定された。各年齢集団ごとのAIは上記参照。