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腹部に付いた過剰な脂肪がどのようにがんのリスクを増加させるかに関する新たな知見

Behind the headlines
New insight into how excess belly fat may increase cancer risk
Friday September 1 2017
https://www.nhs.uk/news/cancer/new-insight-how-excess-belly-fat-may-increase-cancer-risk/
「腹部に付いた脂肪は悪性(がん)細胞の成長を助長するタンパク質を放出する」と、英国大衆紙The Daily Mail は、電子版のMail Onlineにおいて報じている。
肥満はそれだけで、乳がん、大腸がんおよび肝臓がんなどの、多くのがんのリスク因子となることが昔から知られている。 しかし、なぜこれが間違いのないことなのかは、あまり明確にされていない。
先進国においては、予防可能ながん原因の第1位の座に、喫煙を抜いて肥満が着くと推測されているため、この疑問を解く必要性が高まりつつある。
最新の研究では、この関連性の背後にある可能性がある生物学的メカニズムが検討されている。研究者は、内臓脂肪、すなわち臓器を覆う脂肪に焦点を当てている。内臓脂肪はウエストサイズをより大きくし腹部脂肪を増やすことにつながる。
研究者は、過剰な内臓脂肪が、正常で健康的な細胞の成長を刺激すること、および線維芽細胞増殖因子2(FGF2)と呼ばれるタンパク質を放出してがん化を促進する可能性があることを発見した。
しかし、内臓脂肪は、細胞にFGF2受容体がない場合、細胞の成長を刺激することができなかった。受容体とは、特定の化学的シグナルに反応するために作られた、細胞の分化した部分である。
研究者は、この知見に基づいて、FGF2を標的とした有力ながん予防戦略の道が開かれる可能性があると示唆している。しかし、この研究は、まだごく初期の段階にある。
健康的な体重を維持することは、がんのリスクおよび他の多くの深刻な健康障害を減らす最も効果的な方法の1つである。