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FSAI(アイルランド食品安全局)、2016年の年次報告書を公表

FSAI Publishes 2016 Annual Report
Thursday, 12 October 2017
https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/2016_annual_report_12102017.html
FSAIはこの日、2016年の主要活動の要点を述べた年次報告書を公表した。この報告書では、食品に関連して公衆衛生を守る取り組みの中で中核となる規制機能を通して提供された重要な成果に光を当てている。
FSAIは、業務契約協定の下で活動する公式機関と協同して、食品業界の効果的な規制を行うことを通して公衆衛生を守っている。
2016年の主要な特記事項と達成事項は以下のとおりである。
・過去10年で最も多い39件の食品警告が出された。食品警告は、異物、病原菌(微生物)または化学物質汚染を含む様々な理由によりアイルランドの市場から製品回収または撤収がなされるという結果をもたらした。
・28件の食品アレルゲン警告が出された。アイルランドでは、2016年に誤って表示または申告されたアレルゲンとして最も多かったのは、牛乳、大豆、卵及びナッツであった。
・約49,404の食品事業者が、FSAIとの業務契約下にある公式機関の監視下におかれた。この数は、2015年以来小幅な増加(0.65%)である。
・106件の執行命令が食品安全法違反のために食品事業者に送達された。それらの執行命令は、保健サービス局(HSE: Health Service Executive)の環境衛生官と地方管轄局の獣医検査官によって公表された。これらには、94件の閉鎖命令、3件の改善命令及び9件の差止命令が含まれる。
・アドバイスライン(相談電話)は、消費者;食品業務部門で就労する人;製造業者;小売業者;研究者やコンサルタントを含めた様々な人からの10,497件の相談を扱った。このうち3,202件は食品、食品販売店舗また食品表示についての消費者からの苦情に関連していた。
・2,625の食品サプリメントが、安全性と健康強調表示に関して審査された。
・FSAIは、食品法があらゆる角度から遵守されるために、食品のサンプリングや検査を統括し監督する。2016年には、56,588以上のサンプルが採取され検査された。
リスク管理に関する判決を支える科学的根拠を提示するため、166件のリスク評価を実施した。
・食品法違反や食品偽装が疑われる34件の事例が調査された。
FSAIの長官Dr Pamela Byrneによると、2016年は、2016-2018 FSAI戦略の一年目を示しており、組織がこれから3年間歩む重要なロードマップの開始に当たる。
戦略では、数多くの意欲的な長期的目標が定められ、長期的目標はいずれも一連の明確に定義された中期的目標で支えられている。すべての中期的目標は、急速な食品業界の変化と進化を規制する最前線にFSAIが置かれ続ける状況を生み出す、一連の重要な成果につながる。
「根本において、我々の戦略のビジョンは、すべての人に安全で信頼できる食品を保証し続けることである。」
「我々は、消費者保護に重点き、協力的な食品安全コミュニティを統率し、絶え間なく食品の基準を高ようと努めるとともに、食品業界が規則を守るだけでなく、基準を上回ろうとするアイルランドの優れた文化を創造しようとしている。」とDr Byrneは話を結んだ。
アイルランド食品安全局−年次報告書2016原文は、以下のウェブサイトで参照できる。
https://www.fsai.ie/publications_annual_report2016/