食品安全情報blog過去記事

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欧州人の過塩素酸塩への食事を介した暴露の評価

Dietary exposure assessment to perchlorate in the European population
EFSA Journal 2017;15(10):5043 [24 pp.]. 24 October 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5043
EFSAは、EFSAのデータベース(2013年9月1日以降に採取した検体についてのもの)に基づいて得られた検出データを考慮に入れて、ヒトにおける過塩素酸塩への暴露の査定を行った。欧州16ヵ国の政府機関が提供した18,217件の分析結果のデータセットが利用できた。食品事業者からもデータが提供された。このデータセットにおいては、いくつかの食品グループが示された。中間シナリオ(検出限界と定量限界の間の測定値を定量限界の半分とする)とした場合、平均濃度が比較的高かったのは、『浸煎用の茶とハーブ』(324 µg/kg)や『ハーブ、スパイス、調味料』(63 µg/kg)などの乾燥製品、および、『ラディッシュ』(117 µg/kg)、『ルッコラ』(75 µg/kg)、『ホウレンソウ(生)』(132 µg/kg)などの生鮮野菜であった。様々な集団グループにわたって慢性および短期暴露シナリオを適用し、食事調査から、過塩素酸塩への平均暴露量および95パーセンタイル暴露量が推定された。慢性シナリオの場合、乳児、幼児およびその他の若年者の暴露は、最下限シナリオ値(LB)〜最上限シナリオ値(UB)の範囲で表すと0.04〜0.61 µg/kg体重/日であった(LB: minimum lower bound; 検出限界と定量限界の間の測定値を0とする、UB: maximum upper bound; 検出限界と定量限界の間の測定値を定量限界値とする)。それより年上の世代の暴露範囲は、0.04〜0.19 µg/kg体重/日であった。同様に、若年者の慢性暴露の95パーセンタイル値は0.09〜1.0 µg/kg体重/日の範囲、それより年上の世代の慢性暴露の95パーセンタイル値は0.07〜0.34 µg/kg体重/日の範囲であった。『野菜と野菜製品』、『牛乳と乳製品』、『果物と果物製品』は、いずれの集団グループでも暴露に大きく貢献していることが分かった。他の食品グループによる暴露については、特定の集団グループとの関連性がみられた。短期シナリオの場合、平均暴露量は、乳児、幼児、およびその他の若年者で0.40〜2.3 µg/kg体重/日、それより上の世代は0.26–1.3 µg/kg体重/日であった。同様に、若年者の短期暴露の95パーセンタイル値は0.94〜6.5 µg/kg体重/日、それより上の世代の短期暴露の95パーセンタイル値は0.67〜3.6 µg/kg体重/日であった。