食品安全情報blog過去記事

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おおきなワイングラスは過剰なアルコール消費を促しているのか?

Are larger wine glasses encouraging excessive alcohol consumption?
Friday December 15 2017
https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/are-larger-wine-glasses-encouraging-excessive-alcohol-consumption/
「1990年以降ワイングラスがなぜ2倍の大きさになり、いかにより高い消費率を助長しているか」について、英国の大衆新聞サイトMail Onlineが報道している。
この見出しは、英国のグラスサイズが大きくなることが人々の消費するアルコールの量に影響を与えている可能性があるという懸念を受けて、ケンブリッジ大学の研究者が行った研究に基づいている。
この研究は、グラスサイズがこの数年で大きくなり、それがアルコール消費量増大がにつながった可能性があるといういくつかのエビデンスを提示している。
しかしこの研究は、グラスサイズだけを調べ、アルコール消費量を調べていないので、グラスサイズの大きさが直接アルコールのより高い消費率につながったとは証明できていない。それゆえMail Onlineの見出しは誤解を招く。
人々は、いわゆる単位バイアスの経験則に縛られやすく、消費している全体量について考えるよりもむしろ、不連続的な単位(例えばグラス1杯のワインやカップ1杯のコーヒー)で量を測る傾向がある。そのため、グラスが大きければ大きいほど、人は意識する以上に飲酒してしまう可能性がある。
この研究は英国において過剰な飲酒に取り組む代替の選択肢を示す。そのことは、認可ある施設におけるグラスサイズを規制し、より小さなワイングラスの需要を増やすかもしれない、比例した価格付けを推奨するケースを生み出す。