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ANSESは最初のファイトファーマコビジランスファクトシートを発表 

ANSES publishes its first phytopharmacovigilance fact sheets
02/02/2018
https://www.anses.fr/en/content/anses-publishes-its-first-phytopharmacovigilance-fact-sheets
フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、植物医薬品安全性監視計画の対象としたそれぞれの有効成分について集められたデータをまとめた一連のファクトシートを初公表した。植物薬剤監視計画の目的は、製品による有害影響が認められた場合に、製品の市販認可に関する迅速な対応を行えるようにし、製品の使用条件の修正、製品の使用制限、ないしは市販認可の取り消しなどにより、その有害影響の発生を防止することである。これらのファクトシートには、植物医薬品監視部門と連携して実施した調査や監視により得られた全ての情報が収載されている。したがって、これらのファクトシートは、ANSESが農薬の市販認可の判断を行う場面において有用であり、またリスク管理者にとっても必要に応じて取るべき方策を決定する場面などで有用である。
植物医薬品安全性監視計画は、衛生監視システムであり、農薬製品の使用により生じたあらゆる有害影響を可能な限り早く特定することによって、ヒトや動物の健康および環境を保護することを目的とする。この計画は、2015年に発足し、欧州独特のものである。この計画では、あらゆる有害影響を考慮に入れ、ヒトや動物や植物の健康と関連するものであるか、あるいは食品や環境と関連するものであるかどうかを解析する。
これ以降ANSESは、植物医薬品安全性監視計画の一環として収集された全てのデータを、それぞれの有効成分ごとにファクトシートにして公表する。これらの情報は、植物医薬品安全性監視計画と連携して活動する既存の調査・監視組織によって提示されたデータや観察結果を、体系的かつ定期的に収集することに由来する。
したがって、ファクトシートは、それぞれの有効成分に関して次のような情報を含む。
► 有効成分の使用状況
► 媒体中有効成分の存在(水、食品、空気、ヒト血液などにおける濃度)
► その有効成分に暴露される集団におけるリスク
► その有効成分により認められる影響および考えられるあらゆる関連性
この新しいツールの利用により、リスク管理者には適切なリスク管理方法を決定する際に役立つ洞察力がもたらされると考えられる。また、ANSESは、農薬の市販認可申請の審査において、申請者による情報に加え、さらなる見識が得られるであろう。
これらのファクトシートはまた、連携者との共同計画を強化することによって、あるいは特別な試験を行うことによって解消に取り組むべき知識の不足部分を特定するためにも利用することができる。今ある情報は、新しいデータが収集された時、知見が拡充された時、ないしは情報網が新しい連携者の加入で拡大された時には、補完され、更新される。