食品安全情報blog過去記事

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健康的な食事をしても高塩分食による有害影響は相殺されない

Healthy eating may not offset harmful effects of a high-salt diet
March 6 2018
https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/healthy-eating-may-not-offset-harmful-effects-high-salt-diet/
「毎日1個のリンゴを食べても、ポテトチップスのような食べ物で過剰な塩分を摂取することで生じる損傷を相殺することはできない」と、英国の日刊タブロイド紙Daily Mirrorが報じている。
高塩分食は血圧を上昇させ、それにより心臓病や脳卒中のような深刻な疾患に罹るリスクが上昇する。
この見出しの基になった新しく行われた調査では、研究者は、高塩分食で生じるリスクが、多量の果物や野菜を食べるなど、一般的に健康的とされる食事を摂ることによって得られる他のビタミンやミネラルによって影響を受けるかどうかを調べた。
研究者は、1996年から1999年にかけて実施された栄養と血圧に関する国際共同研究(INTERMAP study)の、4,680人のデータを分析した。
彼らは、食塩の摂取量と血圧上昇との間に実際に関連が見られることを確認することができた。
だが、彼らはさらに、この関連性が、飽和脂肪、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、他に摂取するものによって影響を受けることが無いことも究明した。
このことは、多量の塩分を取る傾向がある人が健康的な食事を摂ることにメリットが無いことを意味するものではない。塩分による影響を「相殺する」ことができなくても、それでも健康的な食事を摂れば、別の慢性疾患のリスクを減じられるなど、健康面でのメリットを享受できるであろう。
しかし、塩分摂取量を減らすことはやはり良い策である。研究者は、今回の調査結果が食事中の塩分量を減らす必要性をますます喚起することを望んでいる。