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低脂肪食は乳がんで死亡するリスクを低減する

Behind the headlines
Low-fat diet reduces risk of breast cancer death
May 25, 2018
https://www.nhs.uk/news/cancer/low-fat-diet-reduces-risk-breast-cancer-death/
「果物や野菜が多く脂肪の少ない食事は、乳がんで死亡するリスクを低減することができる。」と、Mail Onlineは報じている。
この記事は、1990年代に米国で行われた50,000人近くの閉経した女性を対象とした追跡調査に基づいている。
被験者の女性は、彼女らの通常の食事を続ける群と、低脂肪で果物や野菜が多い食事を摂る群に分けられ、8年間追跡された。
調査期間中、1,764人の女性が乳がんを発症した。低脂肪食であっても、乳がん発症のリスクに有意な影響は及ぼさなかったが、研究者らは、その後、乳がんを発症した女性をさらに10年間追跡した。
その結果、乳がんの診断を受けてから10年以上生存した女性の割合は、通常食の群では78%であったのに対し、低脂肪食の群では82%であった。
明らかにこの差はわずかである。しかしこの調査は適切に実施されており、乳がんについて既知の知見を支持している。
飽和脂肪含量が多い食事は、過体重や肥満と同様に、乳がんや他の種類のがんのリスク要因であることが既に確立されている。
果物と野菜は結果に影響を与えたかもしれないが、それらは健康的なライフスタイルの全体のほんの一部であると言える。
この調査は、バランスの取れた食事と定期的な運動ががんや他の慢性疾患のリスクを低減することを示す圧倒的な根拠に加えられる。