食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

電子タバコを吸う人は、弱い電子タバコからより多くの毒性物質を吸っている

Behind the headlines
Vapers may inhale more toxins with lower-strength e-cigarettes
Friday June 8 2018
https://www.nhs.uk/news/lifestyle-and-exercise/vapers-may-inhale-more-toxins-lower-strength-e-cigarettes/
「強い電子タバコを吸う方が、燃焼型タバコからの切り替え者が吸う発がん物質は少なくなる。」とSunは報じている。
この記事は、たった20人の電子タバコ利用者で行われた小規模試験に基づいている。低ニコチン液を割り当てられた人は、高ニコチン液を割り当てられた人より電子タバコを活発に吸っており、その蒸気中に含まれる毒性物質への暴露が増高していた可能性がある。
低ニコチン液を割り当てられた人では、全体的に吸いたいという衝動が大きかった。
彼らは、電子タバコ液の弱さをより頻繁により長く吸うことで、あるいは電子タバコ装置の強度設定を高くできる場合はそうすることで、過剰に補償していた。
この試験の研究者は、電子タバコ利用者の尿を採り、ホルムアルデヒドのような発がん物質を検査した。
統計学的に有意ではなかったが、低ニコチン電子タバコ利用者の方がホルムアルデヒド濃度が高い傾向が認められた。
強度の低い電子タバコの方が強度の強いものよりも満足感が低いという知見はおそらく驚くべきことではないであろう。そして強度の低い電子タバコ利用者は吸引回数で代償を取り、より多量の毒性物質に暴露されている可能性があるということも頷けることである。
しかし、この試験は、高ニコチン製品を常習的に使用している人だけを被検者とした小規模試験であり、彼らはもともと低ニコチンに適応するのが難しかったのかも知れない。この結果を全ての電子タバコ使用者に当てはめることはできない。
電子タバコは、その強度がどうであれ、タールや一酸化炭素を出さないため、燃焼型タバコよりもはるかに有害性が低いと考えられている。しかし電子タバコの安全性については完全な解明に至っていない。
燃焼型タバコを止め、電子タバコに切り替えようとしている人は、すぐに低ニコチン製品に飛びつかない方が良いかも知れない。