食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

意見

  • 鶏およびマイナー家禽種肥育用飼料添加物としてのTrichoderma reesei DSM 32338株由来ムラミダーゼの安全性と有効性

Safety and efficacy of muramidase from Trichoderma reesei DSM 32338 as a feed additive for chickens for fattening and minor poultry species
EFSA Journal 2018;16(7):5342 4 July 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5342
このムラミダーゼ生産菌株は、遺伝子組換え微生物である。導入された遺伝子配列は安全上の懸念を生じることはなく、この生産菌株の生細胞やDNAがこの添加物に検出されることはない。肥育鶏における耐容試験の結果、最大推奨量の飼料1 kg当たり45,000 LSU(F)の10倍でも良好な耐容性が示された。そのためFEEDAPパネルは、この添加物は肥育鶏に安全だと結論付け、肥育期のマイナー家禽種にこの結論を外挿した。この添加物を調製するのに使用した酵素ろ過液を用い、遺伝毒性試験や亜慢性経口毒性試験が実施されたが、消費者の安全性に懸念を生じる根拠は認められなかった。またパネルは、この製品の使用により環境へのリスクを生じることはないと結論付けた。この添加物は畜産添加物として使用される場合、機能分類は「他の添加物」となる。有効性を示すために、申請者は同様の試験デザインによる3件の試験のデータを提出した。最小推奨量(飼料1 kg当たり25,000 LSU(F))でこの添加物を投与されたトリにおいて、飼料要求率が有意に改善された。この結論は、肥育期のマイナー家禽種にも外挿された。

  • 飼料添加物として使用される二酸化チタン(E171)の潜在的な毒性に関する4件の新規試験の評価

Evaluation of four new studies on the potential toxicity of titanium dioxide used as a food additive (E 171)
EFSA Journal 2018;16(7):5366 4 July 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5366
既存のEFSAの科学的意見の再考を開始する必要を生じるかどうかという観点から、新規に入手された4件の試験、すなわちBettini et al. (2017)の発がん試験、Proquin et al. (2017)のin vitro遺伝毒性試験、Guo et al. (2017)の二酸化チタン人工ナノ粒子の影響を調べた試験、Heringa et al. (2016)が行った二酸化チタンナノ粒子の経口暴露によるリスクの検討(試験というよりは評価である)、が評価された。
これら4件の試験は、いくつかの懸念を浮き彫りにしたが、不確実性が大きく、リスク評価における重要性は乏しいと判断された。これらの不確実性を縮小するためにさらに試験が必要であると考えられた。したがって、これらの4件の試験結果は、二酸化チタン(E 171)の安全性に関する既存のEFSAの科学的意見の再考を促すには値しないと結論付けられた。

  • 有効成分ホセチルについての農薬リスク評価のピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance fosetyl
EFSA Journal 2018;16(7):5307 3 July 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5307
ブドウ、柑橘類、および仁果類において防カビ剤として使用することについて評価し、結論を導出した。残留や環境への影響などの分野において必要なデータが不足していることが確認され、多方面で安全上の懸念が指摘された。

  • 有効成分1-メチルシクロプロペンについての農薬リスク評価のピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance 1-methylcyclopropene
EFSA Journal 2018;16(7):5308 3 July 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5308
リンゴの植物成長調整剤として典型的に使用した場合の評価を行い、結論を導出した。哺乳類における毒性や土壌微生物などの分野において必要なデータが不足していることが確認され、リスク評価ができない懸念が指摘された。

  • 食品及び飼料チェーンへのナノサイエンス及びナノテクノロジー適用のリスクの評価に関するガイダンス案についての意見募集結果:パート1、ヒトと動物の健康

Outcome of the public consultation on the draft guidance on risk assessment of the application of nanoscience and nanotechnologies in the food and feed chain: Part 1, human and animal health
4 July 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1430
近年、新規食品、食品/飼料添加物、殺生物剤、農薬、食品接触材料などの分野において、ナノカプセル送達システムやナノ複合材料の適用が促進することが指摘されている。そのため、このガイダンス案には、ナノ材料の物理化学的性質、暴露評価、およびハザードの特性解析についてより詳細な情報を与える新規の科学的試験データを考慮に入れた。
パブリックコメントは2018年1月12日から3月4日まで募集され、EFSAは30の団体からおよそ400件のコメントを受け取った。このガイダンス案は2018年5月28〜29日に開催される科学委員会本会議で議論・採択された後、EFSA Journalで発表され、EFSA内で試用段階に入る。

  • 補強データを踏まえたテブフェノジドの農薬リスク評価についての加盟国、申請者、EFSAの意見募集結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for tebufenozide in light of confirmatory data
3 July 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1429
評価された典型的な使用法は、ブドウおよび仁果類において害虫防除のために葉に噴霧するというものである。この報告書には、報告担当加盟国のドイツが主宰した意見募集の結果の概要、および個別に受け取ったコメントについてのEFSAの科学的見解と結論が提示されている。