食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 子どもの鉛暴露研究が相当な削減が可能であることを発見

Child lead exposure study finds substantial reductions possible
27-Aug-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/bu-cle082418.php
研究者による介入で家庭の鉛はこれまで達成可能と考えられていたより少なくでき、暴露量の多い子どもの血中鉛濃度を減らすことができた、しかしその削減は子どもの神経行動上の意味のある改善にはつながらなかった
JAMA Pediatrics に発表された355人の母親と子どもの長期研究であるHealth Outcomes and Measures of the Environment (HOME)試験の一部の結果。

  • 砂糖戦争:修辞か論理か?

The sugar wars: Rhetoric or reason?
27-Aug-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/e-tsw082718.php
砂糖の悪影響は科学者により過剰に強調されている?両サイドの専門家がProgress in Cardiovascular Diseasesにおいて議論
(砂糖悪玉論は砂糖だけではなく精製した穀物も標的。メディアも誇大宣伝。運動する人に糖は必要で毒ではない、等)

Study finds sucralose produces previously unidentified metabolites
27-Aug-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/ncsu-sfs082718.php
10匹のラットに80.4mg/kg/dで40日間投与し、この間と投与終了後2週間尿と糞を集めた。その後ラットの脂肪組織も調べた。その結果尿と糞から二つのアセチル化代謝物を発見した。また脂肪組織からスクラロースそのものも検出した。このことはスクラロースの安全性評価に影響する、と主張。Journal of Toxicology and Environmental Health, Part A.に発表。
(Intestinal Metabolism and Bioaccumulation of Sucralose In Adipose Tissue In The Rat
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15287394.2018.1502560
UHPLC–MS/MSで分析とのこと。
ラットがチャールズリバーのSDで体重が160-405gってことは週齢不明のリタイアを使ったのかな?投与は雄に1日36.5mg/ml、雌に1日25mg/mlの水溶液で。
代謝物の量がゼロに対する相対量なので全然わからない
脂肪組織に検出されたというスクラロースは0.5-7.2 microg/g脂肪組織
なにより酷いのはディスカッションで、平均80.4mg/kg/dの投与(ADIの16倍)で代謝物が検出されて(もしかすると腸内細菌が代謝したのかもといいつつ)組織から検出されたので「代謝と生物濃縮」という「生物学的影響biological effect」が観察されたので、それに安全係数100を使ってADIは1mg/kg/d未満にすべきだと言っているところ。
査読者仕事してない。そんなもの「影響」ではないしまして毒性でも何でもない)

  • 国際チームが新しい脂肪酸を珍しく発見

International team makes rare discovery of new fatty acids
27-Aug-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/uon-itm082718.php
植物油に含まれる数百の異なる脂肪酸が発見されて数十年経って、検出を免れていた二つがついに発覚した。Nebraska-Lincoln大学と中国Huazhong農業大学のチームが発見したのでNebraskanic acid(ネブラスカ酸)と Wuhanic acid(武漢酸)と名づけられた。炭素原子24個で分岐がある「普通でない」脂肪酸
これらはChinese violet cressムラサキハナナの種子油の約半分を構成する
Nature Plantsに発表。
花の写真はこっちに
Serendipitous discovery by IUPUI researchers may lead to eco-friendly lubricant
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/iuui-sdb082718.php