食品安全情報blog過去記事

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その他

Hierarchy, Disagreement, and Food Politics
August 21, 2018  Jayson Lusk(Purdue大学農業経済学部長)
http://jaysonlusk.com/blog/2018/8/15/disagreement-and-food-demand
食品についての議論はしばしば分断する。低炭水化物か低脂肪か?オーガニックか慣行か?地元産か外国産か?我々のフードシステムは素晴らしいのか壊れているのか?
2050年の未来を予想してみよう。将来の会話は今より分断が激しいだろうか?そうでないことを望むが、合意できないことはますます増えるだろう。
私の理論はこうだ。人間の成長段階を説明したマズロー欲求段階説を聞いたことがあるだろう。基本は、社会に属するといったより「高次の」欲求を心配する前に、より基本的な欲求(生存のための食料や家)が満たされる必要があるということだ。同様の現象を食料部門でも提案している人たちがいる。たとえば2007年にEllyn Satterが食品に関する要求のヒエラルキーを提示している。その私のバージョンを以下に示す。
一番下は、収入や資源が少ない人たちは「十分なカロリーをどうやって得ようか?」を心配する。それが応えられると、「その食べ物は安全?」のようなことを心配する。ヒトや国が発展して収入が増えると、食品は生存のために消費されるものから自己表現や自己実現のためのものになっていく。と同時にニーズに不一致が増加する。
(図。以下略)

  • ドイツのGMO批判者がバイテク提供品をさらにコントロールするために特別税を探る

GMO critics in Germany seeking special tax in bid for greater control over biotech offerings
August 27, 2018 Ludger Wess
https://geneticliteracyproject.org/2018/08/27/gmo-critics-in-germany-seeking-special-tax-in-bid-for-greater-control-over-biotech-offerings/
ドイツ語の記事の翻訳
ドイツのNGOが医薬品や種子などのバイテクで作られる製品の認可に権限をもとうとしている。バイテク企業に特別な税を課し、そのお金で「予防リスク研究」に出資する。お金の使い方は環境団体と消費者団体が管理する。
(医薬品や各種酵素ってかなりの部分バイテクなんだがドイツから追い出したい?)

  • カリフォルニアは州全体での子どもの食事法案を可決

California passes statewide healthy kids’ meal bill
23-Aug-2018
https://www.beveragedaily.com/Article/2018/08/23/California-passes-statewide-healthy-kids-meal-bill
レストランやファストフードチェーンの子ども向けの食事の飲み物の選択肢はデフォルトで水かミルクにするという「ヘルシーキッズミール法」議会を通過。知事の署名を待つ

  • カリフォルニアの議員はプラスチックのストローの使用制限に投票、環境について国のスポットライトを浴び続ける州を維持

California lawmakers vote to restrict use of plastic straws, keeping state in national spotlight on environment
By Patrick McGreevy Aug 23, 2018
http://www.latimes.com/politics/la-pol-ca-plastic-straw-limits-california-20180823-story.html
カリフォルニアはレストランでのプラスチックストロー配布を制限する最初の州に
(フルサービスレストランが対象でファストフードは入らないようだ)

  • 過去10年の主要社会科学知見の再現の試みが失敗

Attempt to replicate major social scientific findings of past decade fails
Mon 27 Aug 2018
https://www.theguardian.com/science/2018/aug/27/attempt-to-replicate-major-social-scientific-findings-of-past-decade-fails
ScienceあるいはNatureに発表された21の実験を再現しようとするプロジェクトで、再現できたのはたった13だった。これまで心理学、生命医学の分野で同様の試みが行われてきている。しかしプロジェクトリーダーBrian Nosek教授は社会科学の「危機」だとは考えていないという
Nature Human Behaviourに発表。

  • 精神を変える母乳?新しい大麻研究が疑問を提示

Mind-altering breast milk? New pot study poses that question
Aug 27, 2018
https://www.cbc.ca/news/health/marijuana-breast-milk-1.4800530
大麻を使用している授乳中の女性の母乳からTHCを検出したという研究を受けての報道
大麻に害はないと主張してきた一派がいるのでこんな当たり前のことが大きなニュースになる)

  • 再現できない方法にもう言い訳はできない

Natureワールドビュー
No more excuses for non-reproducible methods
22 August 2018 Lenny Teytelman
http://www.nature.com/articles/d41586-018-06008-w
オンライン技術のおかげで正確な実験プロトコールを去有することが簡単になった、そして現代の科学ではそれが必須である
(著者はprotocols.ioという実験方法投稿サイトを運営している)
「食品グレード」過酸化水素の行商人は如何にして病気で絶望的な人を食い物にしたのか
How Peddlers of ‘Food-Grade’ Hydrogen Peroxide Exploit the Sick and the Desperate
08.20.2018 / By Karen Savage
https://undark.org/article/food-grade-hydrogen-peroxide-cancer/
詐欺師はコップ一杯の水に数滴の過酸化水素を入れて飲むと何にでも効くと主張する。どうやって彼らは何の罰も受けずに逃げ切れるのか
(非常に長い記事。末期の患者は死亡するし業者は信用できないやつらで警告など意に介さない。大企業がやったら許されないことが、いかにも悪そうなやつらがやっていると見逃される)

  • (フィリピン)FDAは未登録製品を販売していたTarlac薬局を閉鎖

FDA shuts down Tarlac pharmacy for selling unregistered products
August 17, 2018
http://newsinfo.inquirer.net/1022515/fda-shuts-down-tarlac-pharmacy-for-selling-unregistered-products
Tarlac地方で有名な病院と薬局が未登録健康製品を販売していたことがわかって閉鎖された。FDAによるとDr. Farrahのブランドで各種製品を販売していたDr. Farrah Agustin Bunchには罰金が科されるだろう。彼女はナチュラルながん治療と称して病院は1日500人もの患者を集めていた

解説
A Skeptical Look at the Activities of Farrah Agustin-Bunch, M.D.
Stephen Barrett, M.D. August 25, 2018.
http://www.quackwatch.org/11Ind/farrah/overview.html
2002年からフィリピンのTarlacで開業。世界で最も成功しているがん治療法と宣伝してフェイスブックのフォローワーは300万人以上。
彼女はフィリピンの大学で医学の学位をとっているがカリフォルニアのナチュラルヒーリングカレッジ(認証されていない学校)のホリスティック医療コースを終了している。
治療法は身体から毒素を出すと称する「ハーブと抽出物の混合物」。標準医療や製薬会社、政府の規制、予防接種を批判、拒否。
フィリピンFDAからの警告に、巨大製薬企業の陰謀と反論していた
(若い人。ある「薬」はナタデココが主原料らしく、日本人がナタデココを買いあさったのが効くことの証明、みたいな記事が出てきてうんざりする)