食品安全情報blog過去記事

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意見

  • プロクロラズの既存MRLsレビュー

Review of the existing maximum residue levels for prochloraz according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2018;16(8):5401 27 August 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5401
入手されたデータの評価に基づき、EFSAによりMRL案が導出され、消費者リスク評価が実施された。規制の枠組みで必要とされるデータのいくつかが不足しており、また消費者に急性リスクが生じる可能性が確認された。従って、導出されたMRL案はリスク管理者によるさらなる検討が必要であり、消費者暴露を削減する手段も検討すべきである。

  • 各種油糧種子におけるプロヘキサジオンの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for prohexadione in various oilseeds
EFSA Journal 2018;16(8):5397 27 August 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5397
亜麻の実、ケシの実、ヒマワリ種子、ナタネ、マスタード種子、カメリナの実におけるプロヘキサジオンの既存最大残留基準の改訂申請。申請者が提出したデータは、新しいMRLs案の導出根拠として十分なものであった。対象農作物中のプロヘキサジオン残留物の測定実施に適切な分析方法が利用可能となっており、有効な定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgである。リスク評価結果に基づき、対象の油糧種子において提案された用法でプロヘキサジオンカルシウムを用いても、消費者の暴露量は毒性参照値を越えることはなく、健康リスクを引き起こすことは考えにくい。

  • 農薬の経年吸着試験をどのように実施し、分析し、規制評価において活用すべきかについて化学物質規制委員会(UK)が作成したガイダンスに関する科学的意見

Scientific Opinion about the Guidance of the Chemical Regulation Directorate (UK) on how aged sorption studies for pesticides should be conducted, analysed and used in regulatory assessments
EFSA Journal 2018;16(8):5382 27 August 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5382
植物保護製品およびその残留物に関するEFSAのパネル(PPRパネル)は、農薬の経年吸着試験をどのように行い、分析し、それをどのように規制評価において活用すべきかについてのガイダンスをレビューした。経年吸着は、地下水浸出評価において上部の層で認められる。PPRパネルは、欧州作物保護協会が提出した一連のデータから選び出した3物質で行われた試験のレビューに基づいた。特に注意が払われた点は、提出されたデータの品質、経年吸着試験向けに考えられた試験手順案、および、経年吸着試験と下部層における分解吸収に関する試験から得られた結果を組み合わせる方法の案である。経年吸着は検討された全事例に関連するプロセスであった。3物質で行われた試験から、このガイダンスは一般に良好に適用することができ、堅牢かつ妥当な結果をもたらすことが明らかになった。PPRパネルは、このガイダンスについて、この科学的意見の助言が実施された場合、経年吸着パラメータの導出に野外データを使用すること以外、地下水浸出評価に用いるのに適したものになると判断した。PPRパネルは、ガイダンス案は経験豊富な利用者にしか使うことができないことを指摘した。それは、ガイダンス文書に書かれたワークフローを完全に支援するソフトウエアツールがないためである。そのため、使いやすいソフトウエアツールの開発を助言している。経年吸着により、地下水における濃度が低減されると予測された。しかしながら、経年吸着試験は、下部層における分解吸収試験よりも様々な土壌で行われているため、下部層が上部層よりもより保存的であると考えるべきではあるが、上部層が下部層より低濃度であるという予測を保証することはできない。この問題を軽減するために、PPRパネルは、浸出評価において上部層および下部層に関する入手可能な全てのデータを用いることを進言した。パネルはさらに、代謝物の経年吸着パラメータは、代謝物-用量試験のみに基づいて導出するよう助言した。親化合物と代謝産物が最も適切なモデル、経年吸着の場合は二項一次平行変化(double first-order in parallel: DFOP)モデルであるが、それにより的確に扱われている限り、代謝物生成画分は、親化合物を用いた分解試験から導出することができる。