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適度な乳製品摂取は心臓の健康に役立つかもしれない

Behind the headlines
Moderate dairy consumption may help heart health
Wednesday September 12 2018
https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/moderate-dairy-consumption-may-help-heart-health/
「成分無調整(全脂肪)牛乳を1日3杯飲むことは長生きに役立つだろう」とSunは報じている。
研究者の国際チームは、世界の21ヵ国の136,000人以上の乳製品摂取の状況について調べた。
1日に1単位の乳製品を2回以上摂取した人は、その後の平均9年間に死亡するあるいは心発作や脳卒中になる可能性が16%低かった。
表面上、乳製品特に全脂肪乳製品は、心疾患に関連した飽和脂肪の豊富な供給源であるので、それらの摂取を制限する英国の助言と矛盾するように思える。
しかしこの研究は、食べたいだけチーズを食べていいということを示しているわけではない。
効果のほとんどは牛乳やヨーグルトからと考えられ、またその効果は、乳製品摂取量が一般的に英国よりもずっと少ない低中所得諸国において最も大きかった。
効果が得られるのは低脂肪乳製品からなのかあるいは全脂肪乳製品からなのかの問いには、この研究では明確に回答されていない。
全脂肪乳製品の効果はより大きいように思える。しかし、世界の多くの場所において、低脂肪乳製品は珍しいあるいは入手できないものであり、このことがこの研究の知見の解釈を複雑にすると考えられる。
また国によっては、多くの被検者が健康的な水準で飽和脂肪を摂取していたことはあり得ることである。
これと同じことは、摂取カロリーの10%以下を飽和脂肪からとるべきであるという推奨量以上に飽和脂肪を摂取している英国のほとんどの成人には当てはまらない。
1日に2〜3単位の乳製品を摂取し、低脂肪のものを選ぶべきであるという英国のガイドラインに変更はないままである。