食品安全情報blog過去記事

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食用油脂のベンゾピレン(benzopyrene)低減化推進結果 

(2007.04.13)
http://www.kfda.go.kr/open_content/kfda/news/press_view.php?seq=1164
食品医薬品安全庁は2006年11月から食用油脂中のベンゾピレン低減化を推進してきた。2007年4月6日のモニタリング検査の結果、14業者17検体中13検体について「不検出」、4検体は微量検出(0.91-1.24 ppb)になるなど調査対象全体が勧奨規格(2 ppb以下、2007年2月5日施行)以下だったと発表した。
今回のモニタリングは2006年11月の第一次、2007年2月の第二次実態調査でベンゾピレンが検出された16社の製品とトウモロコシ胚芽原油を供給されて製造した2社4製品中、自主的に品目報告を取り下げ又は生産中断した品目を除いた17製品について対象にした。検査の結果ベンゾピレン勧奨規格を超過した品目はなかった。
* 「ベンゾピレン」は多環芳香族炭化水素(PAH)の一種で食品の高温加熱調理・加工により生成する。IARCは発ガン物質(グループ1)と分類している。米国・日本・Codexなどには管理基準はないがEUは2.0 ppb、中国は10ppb以下で管理している。
一方食薬庁は昨年6月オリーブ油30件中9件からベンゾピレンを0.03-3.7 ppbレベルで検出しており、EU基準(2 ppb)を超過した1製品については自主回収(95%回収)を指示した。
2006年7月5日からオリーブ油に対するベンゾピレン勧奨規格2 ppb以下を設定し運営している。2006年9月のオリーブ油モニタリングの結果では30件中27製品は不検出、3製品から0.03-0.07 ppbの微量検出であった。また2006年7月25日の韓国消費者保護院の検査結果では21件から0.02-0.23 ppb検出であった。
オリーブ油のベンゾピレン低減化に成功した後、コーン油など食用油全般に対するモニタリングを行った結果、2006年11月は66件中18件から0.9-5.8 ppb、2007年2月は38件中12件から1.6-8.9 ppbが検出された。2ppbを超えた製品(12社16製品)については自主回収勧告及び製造工程改善などを指示した。
今後食薬庁は食用油脂に対するベンゾピレンの法的基準規格が整備されるまで勧奨規格2 ppbを継続的に運営してその結果を公表し、関連業界の自発的な品質管理強化など低減化を積極的に誘導する。