食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

報道資料軟体類•甲殻類重金属実態調査及び評価結果

2010.09.30
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&page=safeinfo&mmid=327&seq=13224
食品医薬品安全庁は最近タコのカドミウム検出について実施した軟体類(タコ・イカ) 及び甲殻類に対する重金属(鉛及びカドミウム) 実態調査結果を発表した。
国産 109件と輸入87件の合計 196件(タコ:ナクチ낙지 67件、タコ:ムノ문어 46件、 がざみ(ずわいがに) 47件、紅蟹21件、大蟹 15件)を収去して検査した結果、現行基準(内臓除外)で検査したナクチとムノは鉛とカドミウム基準(各 2.0ppm以下)を超過する事例はなかった。
- 基準が決められていないがざみ•紅蟹•大蟹及び内臓を含んだナクチの鉛•カドミウムは有害憂慮水準ではなかった。
※ 大蟹については国産は 6.1〜11.30まで捕獲採取禁止期間のため収去することができないので輸入大蟹(15件)だけ収去した。国産は代わりに国産紅蟹(21件)を収去して検査した。
重金属検査は計画どおり内臓を含んだ全体、内臓を除いた部位そして内臓でそれぞれ区分して試験検査し、主要結果は以下の通りである。
ナクチ 67件(国産 22件、輸入45件)とムノ 46件(国産 34件、 輸入 12件)の内臓を除いた体部は全て現行の鉛とカドミウム基準値(2.0ppm) 以下
(単位: mg/?, ppm) ナクチ ムノ 基準
鉛 0.067(不検出~0.528) 0.082(不検出~0.372) 2.0
カドミウム 0.041(不検出~0.711) 0.053(不検出~0.560) 2.0
基準が定められていないがざみ•紅蟹•大蟹及び内臓を含んだナクチを検査した結果と食品摂取量を根拠に算出された暴露量を国際的重金属評価基準である暫定週間摂取許容量(PTWI)と比べて評価した結果,
- がざみの場合 PTWI に対して鉛は平均 0.05%, カドミウムは平均 2.40%,
(今度調査した最大検出事例の場合鉛は 0.64%, カドミウムは 12.35% 該当)
-紅蟹の場合 PTWI に対して鉛は平均 0.0002%, カドミウムは平均 0.1%.
(今度調査した最大検出事例の場合鉛は 0.002%, カドミウムは 0.75% 該当)
- 大蟹の場合 PTWI に対して鉛は平均 0.0002%, カドミウムは平均 0.07%.
(今度調査した最大検出事例の場合鉛は 0.0004%, カドミウムは 0.14% 該当)
- 内臓を含んだナクチの場合 PTWI に対して鉛は平均 0.06%, カドミウムは平均 1.48% と有害憂慮水準ではなかった。
(今度調査した最大検出事例の場合鉛は 0.46%, カドミウムは 10.06% 該当)
カドミウムのPTWI : 7ug/kg b.w/week (b.w : body weight)〕

一般的に重金属基準は重金属含量よりは継続してよく食べる品目で優先的に設定するが、がざみなどのような甲殻類は他の品目に比べて相対的に摂取頻度が低いためこれまで重金属基準を設定していなかった。現在甲殻類カドミウム基準は EU(0.5ppm)を除き Codex、 アメリカ、日本、中国などでも設定されていない。
食品医薬品安全庁は今回調査の結果、市中に流通しているナクチとがざみ•紅蟹•大蟹については内臓ごと食べても鉛とカドミウムによる人体有害影響発生の懸念は低く、ムノの場合は通常内臓は食べないので全般的に問題にならないと評価した。
ただし大蟹(輸入産)と紅蟹(国産)は他の軟体類•甲殻類に比べて内臓にカドミウムの蓄積される量が 4~5倍多いので該当部位のみを継続して食べることは望ましくない。
食品医薬品安全庁は今回の調査は食品衛生法第15条によって有害性評価を実施したもので今後国民食生活変化パターンを考慮して軟体類•甲殻類のよく食べる内臓部分も検査対象に含めてモニタリングし、その結果をもとに軟体類•甲殻類の重金属基準変更及び新設可否を検討する計画である。
(ナクチとムノはどちらもタコ。大きさとか種類が違うらしい)