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2型糖尿病の人は「炭水化物を食事の最後まで取っておく」べきとする研究結果

Behind the headlines
People with type 2 diabetes should 'save carbs for last', study claims
Monday October 2 2017
https://www.nhs.uk/news/diabetes/people-type-2-diabetes-should-save-carbs-last-study-claims/
「糖尿病患者は血糖値を抑えるため、食事の際、パンを最後まで食べずに取っておくべきである」と英国大衆紙の電子版Mail Onlineは報道している。小規模な研究において、食事の最後まで炭水化物を食べずに取っておいた2型糖尿病の人では、血糖値(グルコース)の急激な上昇を起こす可能性が低くなるということが判明した。血糖値の急上昇を、医学用語では食後高血糖という。
食後高血糖は、毎日糖尿病の症状を悪化させるというだけの理由ではなく、心臓血管疾患の発症のリスクの増大とも関連があるため、起こさない方が良い。
これまで、食事の最後まで炭水化物を残しておくことで、空腹になるのを遅らせることができ、また最初にタンパク質や野菜を消化する機会が得られるため血糖の急上昇防止の助けとなることが示唆されてきた。研究者は、これが正しいかどうか確かめようとした。
この研究では、どの順番が血糖や関連ホルモンを下げるのに最も効果的であるか検証するため、16人の被検者に、食べる品目の順番を違う設定にして食事を摂ってもらった。被検者は、炭水化物を最初に食べたか、最後に食べたか、あるいはすべての栄養素を同時にとったかであった。
研究者は、全般的に、他の炭水化物の食べ方と比較した場合、炭水化物を最後に食べる方が、血糖値やインスリン分泌を低くするのには良い、という知見を得た。
結果は興味深いが、研究は非常に小規模であり、確固たる医療指針の基礎を形成するに至らない。今のところ、健康的な食事をし、血糖値を抑制するために活動的でいること、という現行の助言を守ることが一番良い。これは体重を管理するのにも役立ち、全体的に体調を良くするであろう。