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新しい研究が「太っていても健康で」いられるという考えに対する疑いを強める

New study casts further doubt on the idea that you can be 'fat and fit'
March 16 2018
https://www.nhs.uk/news/obesity/new-study-casts-further-doubt-idea-you-can-be-fat-and-fit/
「肥満と健康は両立するか?残念ながらそれは本当に迷信である。」と、英国の新聞社サイトMail Onlineで報じられている。
いわゆる「肥満パラドックス」が迷信であることを示す証拠は揃いつつあるが、新しい研究結果はさらに根拠を加えるものである。2003年に初めて提唱された肥満パラドックスは、それまでの常識に反し、太った人々が健康的な体重の人々よりも長生きするという主張である。
この主張については、その後15年間、事例に対する議論を行いながら検討され、多くの専門家が2003年の研究では問題のある調査方法が取られていたと述べるに至っている。
今回の新しい研究では、30万人のヨーロッパ人が対象とされたが、「太っていても健康」という概念は、「寿命をさらに縮める」であろうと推察された。
この研究では、中高年の成人の身体測定を行い、その後5年間にわたり、彼らが心血管系疾患を発症したかどうかを追跡した。
得られた結果から、過体重と心血管系疾患のリスク増加との間に明確な相関関係が認められた。これらの結果は、体脂肪を腰回りの長さとして図った場合でも、尻回りに対する腰回りの比でみた場合でも、身長に対する腰回りの比でみた場合でもほぼ同等であった。
ヨーロッパの白人に焦点を当てた研究であるなど、いくつかの欠点もあり、他の人種には当てはまらない可能性はある。しかし総合的に見て、この試験の規模は大きく、価値のあるものであり、肥満が他の様々な慢性疾患におけるのと同様に、心血管系疾患の大きなリスク要因であるという現行の考え方を明確に指示している。
この研究論文の主筆者は、メディアでも引用されているように、次のようにまとめている。「この研究からのメッセージは、もし肥満や過体重であるならば、いくらかでもそれを改善すれば、必ず心臓病や脳卒中のリスクを低下させることができる。」